鍼灸院のカルテの書き方|SOAPでの記入例と保存・電子化のポイント

鍼灸院のカルテに記載すべき基本項目(主訴・東洋医学的所見・施術内容・反応と方針)と、SOAP形式での書き方・記入例を解説。保存期間や修正・同意の扱いなどの注意点、電子化のポイントも紹介します。

鍼灸院のカルテは、施術の記録であると同時に、患者様への説明材料であり、院を守るための証拠でもあります。

しかし「何をどこまで書けばいいのか」「東洋医学的所見をどう残すのか」という部分は学校で細かく教わる機会が少なく、院ごとに書き方がばらついてしまいがちです。

書き方が揃っていないと、担当が変わったときに前回の意図が読み取れず、説明の質にも差が出てしまいます。

本記事では、鍼灸院のカルテに記載すべき項目、SOAP形式での書き方と記入例、保存期間の考え方、そして電子化のポイントを解説します。

なお、Web問診と電子カルテ、施術前後の画像記録を一画面で管理できる治療院専用システム「ぽちり(pochiri)」を使えば、記入の手間を減らしながらカルテの質を揃えられます。

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鍼灸院のカルテに記載すべき基本項目

患者情報と主訴

氏名・生年月日・連絡先・初診日といった基本情報に加え、主訴とその経過を記録します。

「いつから」「どんなときに」「どの程度」という3点を押さえておくと、次回以降の比較がしやすくなります。

既往歴や服薬状況、妊娠の可能性など、施術の可否に関わる情報も必ず残しておきましょう。

東洋医学的所見

望診・聞診・問診・切診で得た所見を、院として決めた表記で統一して記載します。

脈状・舌所見・腹診・経絡の反応などは、略語や記号を使う場合でも院内で意味が共有されている必要があります。

自分だけが読める書き方になっていないかという視点で、定期的に見直すことが大切です。

施術内容

使用した経穴、刺鍼の深度と手技、置鍼時間、灸の壮数、電気刺激やその他の物理療法の有無を具体的に書きます。

「どの経穴に何をしたか」が残っていれば、効果が出た施術を再現でき、出なかった場合の見直しもできます。

使用した鍼の規格やロットを記録しておくと、万が一のトラブル時にも説明ができます。

施術後の反応と次回の方針

施術直後の変化、患者様の感想、注意事項として伝えた内容を記録します。

そのうえで「次回はどこを狙うか」「何回でどこまで戻す想定か」という方針まで書いておくと、通院計画の提示がぶれません。

めまいや気分不良などの反応があった場合は、その対応内容も含めて必ず残しておきましょう。

SOAPで書くと迷わなくなる

S:患者様が話したこと

主訴、痛みの程度、生活上の困りごとなど、患者様の言葉をそのまま記録する項目です。

要約しすぎず、「夜中に肩の痛みで目が覚める」のように具体的な表現で残すと、次回の比較に使えます。

O:こちらが観察・検査して得たこと

姿勢、可動域、圧痛点、脈状、舌所見、整形外科的検査の結果など、客観的に確認できた情報を書きます。

数値で測れるものは数値で記録しておくと、変化が伝わりやすくなります。

A:所見にもとづく評価

SとOを踏まえて、どの経絡・どの組織に問題があると考えたのかという判断を記載します。

断定的な診断表現は避け、あくまで施術方針を決めるための評価として書くことがポイントです。

P:施術計画

今回実施した施術と、次回以降の頻度・期間・目標をセットで記録します。

セルフケアの指導内容もここに含めておくと、次回の確認がしやすくなります。

SOAPでの記入例

S:デスクワーク後に右肩から首にかけて重だるさ。3週間前から。朝よりも夕方が辛い。

O:右頸部回旋35度で制限、右僧帽筋上部に圧痛(+)。脈:弦やや細。舌:淡紅・薄白苔。

A:長時間同一姿勢による右頸肩部の筋緊張。肝鬱気滞による影響を考慮。

P:肩井・天柱・曲池ほかへ刺鍼、置鍼15分。週1回×4回を目安に再評価。自宅で胸郭のストレッチを指導。

カルテを書くときの注意点

保存期間と保管方法

療養費の受領委任を取り扱う場合、施術に関する記録は施術完結の日から5年間保存することが求められます。

自費のみの院であっても、後日の問い合わせやトラブルに備えて同程度の期間を目安に保管しておくと安心です。

紙で保管する場合は施錠できる場所に、データで保管する場合はアクセス権限が管理された環境に保存しましょう。

修正は消さずに残す

記載を間違えた場合でも、元の記述が読めなくなるような消し方は避けてください。

二重線と修正日を残す、電子カルテであれば修正履歴が残る形にしておくことが基本です。

あとから書き足した内容は、追記であることが分かるように記録します。

個人情報と同意の扱い

姿勢写真や患部の写真を残す場合は、撮影の目的と利用範囲を事前に説明し、同意を得たうえで記録します。

院内での説明に使うのか、ホームページに掲載するのかで、取るべき同意の範囲は変わります。

個人のスマートフォンに保存したままにせず、権限が管理された場所へ保存する運用に切り替えましょう。

紙カルテの限界と電子化のポイント

探す時間がなくなる

紙カルテは、前回の内容を確認するだけでも棚から探して該当ページをめくる手間が発生します。

電子カルテであれば患者様の名前から即座に履歴を呼び出せるため、施術前の確認が数秒で終わります。

一人で運営している院ほど、この積み重ねが施術やカウンセリングに使える時間として返ってきます。

写真を紐づけて変化を見せられる

姿勢や可動域の写真を施術履歴に登録しておけば、初回と今回を並べてその場で変化を共有できます。

鍼灸は体感に個人差があるため、客観的に変化を示せることがリピートと納得感に直結します。

Web問診と連動させて記入の手間を減らす

来院前にスマートフォンで問診へ回答してもらえば、Sの部分が揃った状態でカウンセリングを始められます。

手書きの転記が不要になるぶん、所見と方針を書く時間に集中できます。

Web問診の作り方やおすすめの質問項目については治療院のWeb問診票を導入する方法で詳しく解説しています。

まとめ:書き方を揃えれば、カルテは資産になる

鍼灸院のカルテは、基本項目を押さえたうえでSOAPの形に揃えるだけで、誰が読んでも意図が伝わる記録に変わります。

保存期間や同意の取り方といったルールも含めて院内で統一しておけば、担当が変わっても説明の質が落ちません。

カルテ・問診・施術画像をまとめて管理する手段として、治療院・鍼灸院専用システムの「ぽちり(pochiri)」もおすすめです。

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関連記事:治療院の紙カルテを電子化する方法 / 【2026年】鍼灸院向け予約システムおすすめ8選

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