「10回券の残りが何回か分からない」「予約時に回数券の期限が切れていた」「キャンセルしたのに回数が戻っていない」――整骨院・整体院で回数券を扱うと、こうした管理上の問題が起きやすくなります。
紙の回数券やExcelでも運用できますが、予約・会計・カルテが別々だと、スタッフが複数の台帳を更新する必要があります。回数券を予約システムや顧客管理システムで扱えると、残数と利用履歴を確認しやすくなり、日々の処理を統一できます。
本記事では、回数券の購入・予約・施術・消化・会計までをつなげる実務手順を中心に、残数・有効期限・キャンセル対応の考え方と、システム選びのポイントを解説します。
※この記事は主に自費メニューの回数券を想定しています。保険診療との併用、販売契約・表示、会計上の取り扱いは院の実態や適用法令によって異なるため、必要に応じて専門家へご確認ください。
回数券管理で起きやすい5つのトラブル
1.残数が台帳と一致しない
患者様が「あと3回」と認識していても、院の台帳では2回ということがあります。処理漏れ、別スタッフによる二重消化、過去のキャンセル処理などが原因になります。
2.予約時に回数券の有効期限が分からない
予約日は期限内でも施術日は期限を過ぎる場合があります。「予約日で判定するか、施術日で判定するか」を事前に決めておかないと、受付時にトラブルになります。
3.キャンセル後に回数が戻っていない
来院前に消化処理していた場合、キャンセル後の戻し忘れが起こります。反対に、施術後なのに未消化のまま残るケースもあります。
4.回数券の販売と施術売上が混ざる
回数券購入時の入金と、その後の施術利用を同じ「売上」として単純に合算すると、二重計上や数字の読み違いにつながります。現金収支の管理と会計処理を分けて把握することが大切です。
5.スタッフごとに処理方法が違う
「予約時に消化する」「施術後に消化する」が混在すると、管理が複雑になります。システムの機能以上に、院内の運用ルールをそろえることが重要です。
回数券管理で最低限必要な項目
予約システムを導入する前に、次の情報を管理できるか確認しましょう。
| 管理項目 | 記録内容の例 | 管理上の目的 |
|---|---|---|
| 患者情報 | 顧客ID・氏名 | 同姓同名の取り違え防止 |
| 券種 | 5回券/10回券/時間券 | 利用条件の判定 |
| 購入情報 | 購入日・販売価格・支払方法 | 販売履歴の確認 |
| 有効期限 | 開始日・満了日・延長履歴 | 期限切れの確認 |
| 消化履歴 | 利用日・利用数・担当者 | いつ何回使ったかを追跡 |
| 残数 | 購入回数-有効な消化数 | 現在利用できる回数の確認 |
| 例外処理 | キャンセル・返金・無効化 | 変更理由と履歴の保存 |
ポイントは、残数だけを表示するのではなく、購入・利用・取消の履歴をたどれることです。履歴が残っていれば、患者様からの問い合わせにも説明しやすくなります。
予約システムと回数券を連携させる基本の流れ
STEP1:患者様に回数券を販売する
患者様の顧客情報に、券種、購入日、利用できる回数または時間、有効期限、代金の支払状況を登録します。例:10回券/購入10回/利用0回/残り10回。
STEP2:予約を受け付ける
患者様から予約が入ったら、対象メニューに利用可能な回数券があるか確認します。この段階で残数だけでなく、施術予定日が有効期限内かも確認します。
STEP3:施術完了後に回数券を消化する
院内のルールに沿って、施術が完了したタイミングで消化処理を行います。例:10回券から1回利用し、残り9回。いつ・どの予約で消化したかを記録します。
STEP4:会計と利用履歴を確認する
回数券を使った施術では、当日の追加支払いがない場合もあります。会計画面で「回数券利用による施術」であることが分かれば、通常の現金売上と区別しやすくなります。
STEP5:次回予約・残数を案内する
施術後に残数と期限を確認できれば、次回予約時の案内がスムーズになります。期限が近い場合も、事前に利用条件を確認できます。
上記は一例です。システムによって、予約時に残数が自動判定されるもの、施術後に手動で消化するものなど違いがあります。**「どのタイミングで残数が減るか」**を必ず確認しましょう。

残数管理でミスを防ぐ4つのルール
1.「購入回数」「利用回数」「残数」を分けて持つ
残数のみを編集する運用では、数字が変わった理由を追えません。履歴から残数を計算できる形が望ましいです。
計算例:10回券を購入し、施術で4回利用、1回の消化を取り消した場合は、残数=10-4+1=7回です。
2.1つの施術で二重消化しない仕組みにする
同じ予約に対する消化処理を何度も登録できると、残数が誤って減るおそれがあります。予約IDと利用履歴を紐づけられるか、二重操作時の警告があるか確認しましょう。
3.キャンセル時の「戻し処理」を決める
無断キャンセル時に回数を消化するのか、施術前キャンセルなら戻すのかは、院の規約に合わせて明確にします。取消記録を削除するのではなく、履歴として残せると確認が容易です。
4.スタッフ全員で同じタイミングに更新する
例えば「施術完了後、会計時に必ず回数券を消化」と決め、会計チェックとセットで行う運用にします。院長一人の院でも、操作漏れ防止のため手順を固定するとよいでしょう。
回数券の有効期限はどう管理する?
有効期限のある回数券は、購入時点でルールを決め、患者様へ分かる形で提示することが重要です。
確認したい項目は、購入日から数えるのか初回利用日から数えるのか、予約日と施術日のどちらを基準にするのか、休業時に延長するのか、返金・譲渡を認めるのか、といった点です。
| ケース | 事前に決めておくこと |
|---|---|
| 期限内に予約・施術は期限後 | 施術日を基準にするか、予約日を基準にするか |
| 院の都合で休業 | 延長・振替の条件と案内方法 |
| 期限切れで残数あり | 失効・延長・返金の取り扱い |
| 患者様が期限を忘れていた | 購入時説明、通知、利用履歴の確認方法 |
システム選びでは「期限を記録できるか」と「期限を超えた利用を自動で止めるか」を分けて確認しましょう。期限の自動判定・アラートが標準搭載されているとは限りません。
有効期限や解約・返金条件は、販売方法や契約内容によって法的な検討が必要な場合があります。実際の提供条件は確認してください。
会計と回数券を連携するときの注意点
回数券管理では、入金のタイミングと施術を提供するタイミングが異なることに注意が必要です。
例えば、50,000円の10回券を購入した患者様が、後日1回分を使ったとします。購入時に50,000円の入金があり、施術日には追加入金がないとしても、施術実績は1回発生しています。
この2つを区別できないと、「今月の入金額」と「今月提供した施術回数・施術相当額」が混同されます。
| 管理したい数字 | 何を集計するか | 見る目的 |
|---|---|---|
| 入金額 | 回数券販売時の受取金額 | 現金・決済の確認 |
| 利用回数 | 施術で消化した回数 | 来院・サービス提供の実績 |
| 残存回数 | まだ使われていない回数 | 未利用分の把握 |
| 返金・取消 | 返金額・取消理由 | 差異確認と記録 |
なお、税務・会計上の売上計上時期や前受金の処理は、事業者の会計方針や具体的な契約内容によって異なります。この記事の例は管理上の区分を説明するものであり、会計処理を断定するものではありません。 必要に応じて税理士等に確認しましょう。
回数券管理に対応した予約システムの選び方【6項目】
- 予約と患者情報が紐づくか:予約画面から対象患者の回数券や来院履歴を確認できるか。
- 回数券・時間券の種類に対応するか:回数だけでなく残り時間を扱いたい場合は個別に確認。
- 取消・返金の履歴を残せるか:数値の手修正だけでなく操作理由を追跡できるか。
- 有効期限の管理方法が明確か:記録のみか、警告や利用制限までできるか。
- 会計とレポートが一致するか:回数券販売、当日入金、利用実績を区別できるか。
- 自院独自のルールを相談できるか:残数0時の予約制限、複数券種の併用、例外対応など。
デモでは「10回券を購入 → 1回消化 → キャンセルで戻す → 期限切れにする」といったテストを行い、管理画面にどのように反映されるかを確かめましょう。
ぽちりなら予約・カルテ・会計・回数券を一元管理
治療院向けシステム「ぽちり」は、Web予約、顧客情報、電子カルテ、会計、回数券・時間券、売上・来院分析を一つの仕組みで管理できます。回数券のために別のExcel台帳を開く負担を減らし、患者情報と来院履歴をまとめて把握したい院に向いています。
ぽちりの大きな強みは、院ごとの要望を聞き、必要に応じて機能追加・改善を検討できることです。現場の声による機能追加・改善は50件以上。「有効期限の扱いを自院のルールに合わせたい」「回数券の使い方を分かりやすくしたい」といったご相談も受け付けています。
※有効期限の自動判定や通知など、個別機能の標準搭載を保証するものではありません。実際の運用と必要な機能を確認し、対応可否をご案内します。

また、紙カルテからの移行も支援しており、毎月3社限定で紙カルテの無料移行サポートを実施しています。移行方法や範囲は事前にご相談ください。
よくある質問
Q. 回数券は予約時と施術後のどちらで消化すべきですか?
院のルールにより異なりますが、施術完了後に消化する運用なら、予約変更やキャンセル時の戻し忘れを抑えやすくなります。システムでの実際の処理タイミングを確認しましょう。
Q. 回数券の残り回数を自動計算できますか?
対応サービスであれば可能です。ただし、購入履歴・消化履歴・取消履歴を保持する仕組みかどうかが重要です。残数表示だけでなく履歴も確認しましょう。
Q. 期限切れの回数券を自動で使えなくできますか?
サービスにより異なります。期限を表示できることと、予約・会計時に利用を制限できることは別機能です。必ずテストしてください。
Q. 5回券・10回券以外に時間券も扱えますか?
サービスによります。ぽちりは回数券・時間券の管理に対応していますが、細かな利用ルールについては事前に確認してください。
Q. Excelから移行する場合、何を準備すればよいですか?
患者ID、券種、購入日、購入回数、利用済み回数、残数、期限、販売額、取消履歴を整理しておくと移行方法を検討しやすくなります。
まとめ|回数券は「残数」だけでなく予約・会計とのつながりで考える
整骨院・整体院の回数券管理では、残数や有効期限を確認できるだけでなく、誰が・いつ・どの施術で使ったかを追えることが重要です。さらに、予約・施術・会計とのつながりを持たせることで、スタッフごとの処理漏れや数字の不一致を減らしやすくなります。
院ごとに回数券のルールは異なります。今の予約システムでは対応できないことがある場合、ぽちりでは実際の運用を伺い、必要に応じて改善を検討できます。